子どもが結婚を決めたら、親としては心から祝福したいものです。ですが、親の目線から考えると、心配だったり、不安だったりする結婚話も少なくありません。よくある親の悩みを例に、困りごとが出た場合の対処法を考えてみましょう。
目次
子どもの結婚相手と自分の家庭とに格差がある場合
子どもが選んだ結婚相手の家庭が裕福であったり、お金に困っている様子であったりした場合、様々な不安を感じてしまいます。婚約や挙式にまつわる親の負担にも影響がでる場合もあるため、良い付き合い方を覚えておきましょう。
相手の家庭が自分よりも裕福な場合
相手の家庭が裕福な場合、婚約や挙式に多額の費用をかけたいと考えるかも知れません。相手やその家族が、次々と式のスタイルなどを決めてしまうようであれば、こちらの経済事情をありのまま、伝えるようにしましょう。
経済的な差がある場合、こちらが婚約、挙式に払える費用を事前に伝えておくことで、話し合いがスムーズになります。相手側が多くの支払いを行ってでも、婚約や挙式を豪華にしたいと申し出て、子ども側もそれに納得しているのであれば、相手へ主導権を渡し、任せても良いでしょう。
仮に経済的格差を隠し、貯金を切り崩すなどしたとしても、その後も同等のおつき合いをしていくことは、難しくなります。できるだけ包み隠さず事情を話したうえで、結婚後は適度な距離を保った関係を築くようにすると良いでしょう。
新居、出産、子どもの進学など、節目で差が出るケースもありますが、相手の親へ事前に話をしていることで、負い目を感じたり、悩んだりする場面を減らせます。差があるのは仕方がないことだと割り切り、できる限り嘘をついたり、見栄を張ったりしないようにしましょう。
格差があったとしても、相手の親が気にせず普通に接してくれる場合は、自分側の資産など、細かいことをあえて話す必要はありません。良い付き合いができるよう、お互いを思いやった言葉や態度でいられるよう、心がけましょう。結婚にまつわる親の負担など、経済的な問題が気になる場合は、それとなく子どもから伝えて貰うと角が立ちません。
相手の家庭よりも自分が裕福な場合
相手の家庭よりも自分の家庭の方が裕福な場合、特に女性の子どもを持つ親は不安を抱えるかもしれません。ですが、自分の子どもが選んだ相手ですから、結婚を決意するほどの良い部分を必ず持っていると信じましょう。
経済的な問題ではなく、「優しい性格である」「慈愛に満ちている」「家事が得意」「献身的にサポートしてくれる」「勤勉である」など、相手の性格などへ目を向け、結婚を祝福できれば、自身の子も喜ぶでしょう。
相手の親は、折に触れ、引け目を感じるかもしれません。できるだけ、そのような思いをさせないよう、付き合い方に配慮する場面もあるでしょう。子どもたちが選んだ婚約や挙式のスタイルが簡素であっても、親の意見を押し付けることなく、子どもたちらしい結婚ができるよう、協力してあげることが大切です。
学歴や文化レベル、先祖の系統に差がある場合
結婚の際は、経済的格差だけでなく、子や親の学歴、住まい、家柄などでも差が生まれます。この差があまりに大きい場合、子ども同士や親が納得していたとしても、親せきなどから反対意見を浴びるケースもあるでしょう。
自分たち家族の方が良い学歴や家柄の場合は、親せきなどへ相手についてあえて深く話さない、と言うのも一つの手段です。家庭レベルではなく、相手の人柄を褒める形で紹介すれば、同意を得やすくなるでしょう。
相手の家庭が高学歴であったり、由緒ある家庭であったりする場合は、子ども同士だけでなく、親同士も話し合いを行っておくと安心です。昔と違い、現在ではそれほど相手の学歴や家柄を気にしない親が増えていますが、どうしても話が折り合わない場合は、子ども同士に任せましょう。自分の子どもが心から結婚したいと言っているのに、反対する親はそう多くありません。実の息子、娘から話を進めてもらうことで、結婚へ向け一歩前進できるでしょう。
格差がある場合は、相手のレベルに合った言葉遣いやマナーなど、合わせられる部分は合わせる努力も必要です。お金や学歴がなくとも、立ち居振る舞いが洗練されていることで、相手に一目置かせることができます。“学歴や家柄だけで人の価値は判断できない”ということを、身をもって示すようにしましょう。
相手の子どもに養子になって欲しい場合
女性の子どもしかおらず、結婚相手には婿養子に来て欲しい場合、相手の家族から承諾を得る必要があります。親世代は、兄弟が多い家庭が多く、長男でなければ婿養子に抵抗があまり無かったでしょう。ですが、現在では少子化が進み、長男、長女しかいない、という家庭ばかりです。そのため、話し合いは相手や相手の親の気持ちを考えながら、進めていきましょう。
婚約の話が出た段階で、結婚相手や相手の親が養子縁組についてある程度、理解してくれている場合は、顔合わせのタイミングで、正式にお願いをします。許可が出た場合、結納の流れが男女逆になりますので、結納を行う予定がある場合は、間違いのないよう注意して進行するようにしましょう。
婚約のスタイル、挙式の内容なども、婿養子に出す親側の気持ちを考え、できる限り相手の希望に添えるようにすると、印象が良くなります。
相手が婿養子に反対している、という場合は、顔合わせではなく、数回顔を合わせた後など、親しくなってから話を切り出すようにしましょう。仲人さんなど、第三者に入ってもらった方が、両者ともに冷静な話し合いが行えるため、検討してみるのもお勧めです。
婿養子を希望する場合、「家業を継いでほしい」「苗字を絶やしたくない」「お墓を守ってもらいたい」など、様々な思いがあるかと思いますが、どの問題も婿養子というスタイル以外でも成立することができます。
「二人の間に生まれた子どもと養子縁組をする」など、という手段もありますので、婿養子という制度に捉われすぎることなく、相手の子ども本人や親の気持ちを尊重できる形を目指しましょう。
結婚相手に離婚経験や子どもがある場合
子どもの婚約相手に離婚経験があったり、子どもがいたりする場合、親側も心の準備が必要となります。子どもから離婚経験や子どもの存在を打ち明けられた時に、とりたい行動をチェックしておきましょう。
結婚相手に離婚経験がある場合
子どもの結婚相手に離婚経験がある場合、その事実を打ち明けられた時点で、理由を確認しましょう。若い世代の離婚率は年々増え、親世代のように何が何でも我慢する時代ではなくなりました。
ですが、その理由があまりに幼稚であったり、子どもの結婚相手に非があったりするような場合は、応援できないケースもありますので、その点について包み隠さず話し合う場を持つようにします。
「相手の女性と死別している」「相手の女性の不貞や浪費などが原因で離婚した」という場合は、離婚歴について気にする必要はないでしょう。結婚相手に非があり離婚した、という場合も、反省し現在は誠実に暮らしているのであれば、頭ごなしに反対するのは子どもを傷つけることになります。親がしっかりと人柄を見た上で、最終的な判断をするようにしてください。
結婚相手に子どもがいる場合
子どもの結婚相手に子どもがいる場合、結婚と同時に自分の子どもが父親、もしくは母親の役割を求められることになります。自分が産んでいない子どもの親になるのは、簡単なことではありませんが、子どもにその覚悟があるのであれば、親側も全力でサポートするようにしましょう。
相手の子どもがすでに息子、もしくは娘になついている場合は、新しく祖父母になる自分たちも積極的にかかわり、距離を縮めていきます。食事やレジャーなどを通じて仲良くなることで、相手の子どもも結婚に賛成してくれるでしょう。
相手の子どもが自分の子どもに懐いていない場合は、親の経験から、子どもとの距離を縮めるためには時間が重要なことを伝えるなどの、精神的サポートが欠かせません。娘や息子本人や結婚相手は、結婚へ向けて早く踏み出したいかもしれませんが、結婚相手の子どもの気持ちを一番に尊重して、話を進めていきましょう。
結婚相手の子どもが小さかったとしても、一人の人間と認め、何かを決める際には意見を求めることも大切です。結婚相手の子どもが一日も新しい生活に馴染めるよう、心を開きやすい祖父母となれるよう、十分に配慮しましょう。
子どもと結婚相手の間に年齢差がある場合
子どもから「結婚したい」と打ち明けられた相手に、子どもと大きな年の差がある場合、妊娠出産や、物事の考え方などで、大きな差が生じます。もし、自分の子どもが年の差結婚を望んでいる場合は、その辺りも考慮し、結婚生活に向けてサポートしていくようにしましょう。
結婚相手が子どもよりもはるかに年上の場合
結婚したいと切り出された相手が、親世代に近いような男性、もしくは女性だった場合、親としては不安な気持ちが過るものです。「早く亡くなってしまうのではないか」「将来に渡り、子どもや孫を養っていけるのか」「子どもが将来介護をしなければいけないのだろうか」「高齢だから孫は望めないのではないだろうか」といった思いで、反対したくなるかもしれません。
ですが、相手が年上だと分かった時も、まず子どもたちの意見を聞くようにしましょう。仮に相手が同世代で、自分たちよりも良い収入を得ていたり、優れた家柄であったりした場合でも、その相手は義理の子どもになる人ですから、親として毅然とした態度でいるようにします。
年齢差を越えてでも結婚したい理由は何か、将来についての決意はあるのか、など、顔を合わせながら一つひとつ確認していくことで、やがて信頼関係が築かれます。怒りに任せて訳もなく反対していては、子どもからの信頼を失ってしまうため、何よりも子どもが幸せになれるよう、考えていきましょう。
年上の結婚相手には「年齢が近い分、親と話が合う」「経験を積んできた分しっかりしている」「収入が安定している」というメリットもあるため、年だけで判断してしまうのはNGです。子どもを大切にしてくれるかどうか、を軸に、納得いくまで話し合うようにしましょう。
結婚相手が子どもよりもはるかに年下の場合
子どもの結婚相手が、子どもよりもはるかに年下だった場合、相手の両親が大きな不安を抱えているだろうと予測されます。そのため、親としてできるだけ早く顔合わせの場を用意し、自分たちの人となりを知ってもらうようにしましょう。
結婚相手が若い場合、気持ちが揺らぎやすかったり、経験が浅い分ケンカなどのトラブルになりやすかったり、という例もあるでしょう。ですが、これらは時間が解決していくものですから、祖父母のような気持ちで見守ってあげるとうまく行きやすいです。
相手が年下の場合、収入や成熟度への不安はぬぐえませんが、体力がある、孫を望みやすい、といったメリットもあります。年が若くてもしっかりしている人はたくさんいますので、「年下だから……」と年齢だけで判断するのではなく、二人の気持ちや相手の考え方へ耳を傾け、本気であるならば子どものためにも、心から祝福してあげましょう。
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