親も知っておきたいキリスト教式・神前式・人前式・仏前式結婚式スタイル別のしきたり・マナー

子どもが結婚式で行いたいスタイルが決まったら、その形式に合わせたマナーや服装、式次第などを確認しておきましょう。

子どもの意見を尊重した結果、親が経験したことのないスタイルを選ぶ可能性もありますが、事前に流れを知っておくことで、スムーズに挙式を終えられるでしょう。

「キリスト教式」でのしきたりやマナー

現代では、結婚式の多くが「キリスト教式」です。キリスト教にはいくつかの教派がありますが、日本で多いのは、カトリックとプロテスタントです。カトリックはキリスト信者のみしか挙式を認めていないため、新郎新婦ともにカトリック信者という場合以外は、信者以外も受け入れてくれるプロテスタントの教会での結婚式が基本となります。

両家の宗教がキリスト教でなくても、改宗することなく挙式できますので、安心して式へ臨んでください。

「キリスト教式」の挙式料

キリスト教式の挙式料は、教会への「献金」という形で支払います。結婚式場やホテルに併設されているチャペルであれば、結婚式場やホテル側から料金を案内して貰えるでしょう。結婚証明書の用意や装花などの飾り、生演奏をお願いする場合はその人数などによって「献金」の額が変わるため、子どもの相談しながら決めるようにします。

相場としては15万円~35万円程度となる場合が多く、これには新婦や生演奏奏者、聖歌隊へのお礼も含まれています。お金は「献金」「御礼」ともに白封筒へ入れ、両家の連名で出すようにしましょう。神父や生演奏奏者、聖歌隊へ支払う御礼の相場は、1万円~3万円が一般的です。

キリスト教式の席次

キリスト教式では、神父の前に新郎新婦が並びます。立会人はその隣で見守るようにします。立会人は、新郎新婦の兄弟や友人が務める例が一般的なため、忘れず打診するよう親から早めにアドバイスしてあげても良いでしょう。

その他の列席者は、座席から挙式を見守ります。バージンロードを挟んだ右側が新郎の家族、左側が新婦の家族の座る席となり、一列目に両親、二列目以降は、親族、友人、の順になります。カトリック教会で挙式を行う場合は、後列で信者が見守る場合もあります。キリスト教式は初めて、という場合もスタッフが説明や誘導を行ってくれるため、滞りなく式を進行できます。席へ着く際などに、バージンロードを踏んでしまわないよう注意しましょう。

キリスト教式の式次第

1.新婦の父以外の家族や列席者が指定された席で待つ中、最初に神父と新郎が入場します。列席者は起立して、迎えるようにしましょう。新郎は聖壇の前へ、神父は聖壇へ立ち結婚式の開式を告げます。神父が先に入場し、開式を告げた後で、新郎のみが入場するケースもあります。

2.新婦と新婦の父が入場します。父親の腕に娘がそっと手を添える形で、一歩一歩バージンロードを歩いていきましょう。聖壇の前へ着いたら、新婦の父から新郎へ、新婦を渡します。新郎が新婦の手を取るまで、新婦の父は威厳ある態度で、どっしりと構えるようにします。

3.讃美歌を斉唱します。讃美歌の歌詞を知らない場合も、席に歌詞の書かれたカードが置かれていますので、オルガンの生演奏や、聖歌隊に合わせて声を合わせるようにします。ここでも列席者は起立となります。

4.聖書の朗読、祈祷が行われます。聖書の中から挙式の門出にふさわしい内容の一節を神父が読み上げますので、着席して静かに耳を傾けましょう。その後、神父が祈りを捧げる祈祷を行います。

5.結婚の誓いを行います。神父が新郎新婦それぞれに、永遠の愛を誓うかどうか確かめる、キリスト教式の挙式で最も神聖な場面です。神父の言葉を最後まで子どもが聞き「はい、誓います」と誓約を行います。

6.ベールアップ、指輪の交換を行います。式場によって先にベールアップを行い誓いのキスをしてから指輪交換を行うケースと、指輪交換後にベールアップを行うケースがあります。結婚指輪は、親もしくは子どもが事前に神父へ預けておきましょう。準備した指輪を新郎、新婦それぞれが受け取り、左手薬指へとはめます。

7.二人が晴れて夫婦になったことを神父が宣言します。二人の手を神父の前で重ね合わせ、結婚の成立を祝福する儀式です。

8.結婚証明書に署名をします。新郎新婦だけが名前を書く場合と、証人や神父が名を連ねる例があるため、事前に確認しておきましょう。この後、讃美歌を斉唱する場合もあります。

9.無事に式が執り行われたことを神父が告げ、新郎新婦の退場となります。新郎新婦が腕を組んでバージンロードを歩き、その後に神父が退場します。ライスシャワーやフラワーシャワー、ブーケトスなどの演出が予定されている場合は、新郎新婦、神父を見送った後、屋外で行うのが一般的です。準備は式場スタッフが行ってくれますので、両親も控えめに参加するようにします。

キリスト教式の注意点

現在の主流であるキリスト教式ですから、親子ともに参列した経験がある場合も多いでしょう。しかし、主役としては初めてとなる、キリスト教式の結婚式です。実際、当人やその親しか知らない段取りが多くありますが、事前のスタッフが流れを説明してくれるため、安心してお任せしましょう。新婦と新婦の父親は一緒に入場しますが、親側が緊張してしまうケースが多いため、母親から父親がリラックスできるような声かけをします。

ライスシャワーは華やかな反面、食べ物を投げるのはもったいない、という不満が出る場合もあります。気にしそうな親族がいる場合は、さりげなく造花でのフラワーシャワーを親から提案するのがおすすめです。

近年では、シャボン玉を使ったバブルシャワーも人気がありますが、衣装を汚してしまう可能性があるため、できるだけ避けるようアドバイスしましょう。

「神前式」でのしきたりやマナー

日本人らしさを存分に感じられる「神前式」は、キリスト教式に次いで人気の結婚スタイルです。神社に祀られている神様、子どもたちの祖先へ結婚を報告し、見守って貰えるようお願いするための儀式です。挙式は、結婚式場に併設されている神殿、もしくは地元の神社を利用します。神社の場合は、挙式後の披露宴会場が遠い場合もあるため、交通手段の確保や時間配分などを事前にしっかり打合せしておきましょう。

神前式の挙式料

「神前式」では「初穂料」を神社へ納めます。結び切りで熨斗の付けられた金銀、もしくは紅白の祝儀袋を用意するようにしましょう。表書きは両家連名とします。挙式代は5万円~15万円程度である場合が多く、和楽器での生演奏を追加する場合はさらに3万円~5万円程高くなります。

「初穂料」とは別に、式を進行する斎主、巫女へ「御礼(御禮)」を用意しておきます。金額は2~3万円程度とし、こちらも熨斗袋へ両家の名前を入れ、いつでも渡せるよう準備しておきましょう。

神前式の席次

「神前式」では、中心の奥が神棚(神座)となり、その手前に玉串案が置かれます。神棚に向かって右側に斎主、左側には巫女が控えます。新郎新婦は玉串案の少し後ろが席となり、神棚に向かって右が新郎、左が新婦、媒酌人がいる場合はその後方、新郎の後ろに媒酌人、新婦の後ろに媒酌人婦人が着席します。

挙式へ参加する親族は、新郎の家族が右の斎主側、新婦の家族が左の巫女側で、縦に並び内側の新郎新婦を向く形で見守ります。前に近い席から、父親、母親、父方の祖父母、母方の祖父母、兄(姉)弟(妹)伯父、伯母、叔父、叔母の順に座りましょう。

神前式の式次第

1.本殿へ入場します。新郎新婦、媒酌人、両親、親族の順番で進んでいきます。神社での挙式の場合は、巫女、神職へ導かれ本殿へ向かう「参進の儀」が行われる場合もあります。

2.新郎新婦や家族が席についたら、斎主が入場します。起立で迎え、斎主と共に神棚へ一礼しましょう。その後、列席者の心身を清めるお祓い「修祓(しゅうばつ)の儀」が行われます。列席者一同、頭を軽く下げ、お祓いを受けましょう。

3.斎主から、神様へ結婚を報告する「祝詞奏上」を行います。斎主が祝詞を読み上げますので、静かに耳を傾けます。

4.三々九度を行う「三献(さんこん)の儀」を行います。巫女が御神酒を大中小の器へ注ぎますので、小杯、中杯、大杯の順に飲みます。すべて三口で飲みますが、お酒が苦手な子どもの場合は口をつけるだけで構いません。小杯は新郎、新婦、新郎、中杯は新婦、新郎、新婦、大杯は、新郎、新婦、新郎の順となります。

5.神様へ結婚を誓う「誓詞奏上」を行います。新郎新婦が神前に立ち、一礼した後、新郎が誓詞を読みます。難しい言葉が多いため、親も協力して事前に練習を行っておくと、当日焦らずに済みます。奏上が終わったら、新郎が名前を述べますので、新婦も後に続いて名前を述べましょう。

6.玉串案へ榊の枝でできた玉串を奉奠する、「玉串奉奠」が行われます。神棚へ一礼した後、左手で葉を支えるようにし、枝元を神様へ向ける形で奉奠します。その後「二礼二拍手一礼」を行い、斎主、列席者へ一礼し席へ戻ります。新郎新婦のみが行うケースと、媒酌人や両親も「玉串奉奠」を行うケースがあるため、親側も順序を確認しておきましょう。

7.「指輪の交換」を行います。「玉串奉奠」後のタイミングが多いですが、神社によっては「三献の儀」や「誓詞奏上」の後に行う場合もあります。どのタイミングになるかは、事前に式場スタッフや神社へ確認しておきましょう。

8.巫女による「神楽奉納」が行われます。主に神社での挙式で見られる式次第です。二人の幸せや両家の繁栄を願い、神様へ舞を奉納します。

9.「親族杯の儀」が行われます。巫女が御神酒を親族へ注ぎますので、合図とともに三口で飲みます。一堂起立して、両家の結びつきを祝いましょう。お酒が苦手な場合は、口をつけるだけで構いません。

10.斎主から無事に挙式が終えられたことを、神様へ挨拶します。その後、全員起立し神前へ礼を行った後、斎主、新郎新婦、媒酌人夫妻、両親、親族の順番で退場します。

神前式の注意点

神様のお社で行う「神前式」は神聖な儀式です。そのため神社や神殿によっては、カメラやビデオの撮影が制限される場合もあります。そのため、撮影して良いポイントやタイミングを事前に確認し、周知しておく必要があるでしょう。気軽にスマホで撮影を行える時代ですから、挙式中は撮影不可であることを、前もって招待状へ記載しておくという方法もあります。

また「神前式」では、特に指定された衣装がありません。白無垢や羽織袴だけでなく、ウェディングドレスやタキシード、色打掛、引き振袖、十二単などで式を挙げるケースもありますので、子どもの希望を聞きながらよく相談しておきましょう。

「人前式」でのしきたりやマナー

宗教にとらわれず、自由な雰囲気の中で挙式がしたい、という若い世代から人気となっているのが「人前式」です。キリスト教式の新婦、神前式の斎主といった、進行を行う人間はおらず、参列した人間すべてが結婚の証人となります。

「人前式」は自由度が高く、親や親族の扱いもゲストの一人としてカウントされます。そのため、年配の列席者の顔が曇るような内容ではないか、結婚を軽んじてはいないか、といった面を親の目線からしっかりチェックし、祖父母やおじ、おばなど年上の親戚へは、事前に断りを入れておきましょう。子どもから連絡するのが一番良いのですが、「説明がうまくできない」という場合は、親から話をしても構いません。

「人前式」であっても、結婚を誓うタイミングや指輪の交換などは、厳かな雰囲気を演出すると、子どもたちの気持ちが引き締まります。

人前式の挙式料

「人前式」の挙式料は、式を挙げる場所によっても大きく変化します。レストランやゲストハウスでは比較的手ごろな価格で、結婚式場の場合は費用が高くなる傾向にあります。相場としては会場の使用料として10万円~60万円程度、結婚証明書へのサインなどに使う祭壇が5万円程度、その他行う演出によって追加で費用が発生するため、後から想像以上の請求とならないよう子どもと綿密な打ち合わせを行いましょう。

人前式の席次

人前式には時に決まった席次はありません。一点、神様へ結婚を宣誓するキリスト教式や神前式とは違い、列席者へ向かって宣誓を行うため、新郎新婦の立ち位置が一般的な結婚式と逆になる点を承知しておきましょう。

指輪交換の指輪を用意したり、結婚証明書へ新郎新婦と共にサインを行ったりする、立会人代表を立てる場合もあります。この場合は立会人代表が、新郎新婦の近くで起立し、式をサポートする形となります。

式は司会者が進行することが多く、それをゲスト全員で見守ります。キリスト教式のように新婦が父親にエスコートされて入場する場合もありますので、事前に打ち合わせを行っておきましょう。「人前式」の場合、子どもが中心で支度を進めるため、親が行う準備は少ない傾向にあります。そのため当日は、「人前式」に慣れていない親族への気遣いや配慮へ徹すると、誰もが気持ちの良い式進行となります。

人前式の式次第

「人前式」には特に決まった式次第はありません。しかし、ほとんどの新郎新婦がキリスト教式に近い流れの進行を選んでいます。ここでは、その一例をチェックしてみましょう。

1.新郎新婦が入場します。新郎が先に入場し、新婦の父のエスコートで新婦入場となるケースもあります。母親によるベールダウンが行われたり、オリジナルのバージンロードを準備したりする場合もあります。

2.司会者が開会の言葉を述べます。司会で式の雰囲気ががらりと変わるため、プロへお願いする新郎新婦も多いでしょう。二人のなれそめを紹介するなど、ちょっとしたスピーチが入る場合もあります。

3.列席者へ向かって「誓いの言葉」を述べます。「私たちは本日、結婚を宣誓します。一生お互いを思い合い、慈しみながら、末永く生きていきたいと思います」といった、厳かな内容となる場合が多いでしょう。新郎新婦で声を揃えて読む、新郎だけが読む、二人が別々のものを読む、などスタイルは自由です。宣誓後は日付と名前を述べて締めくくります。

4.指輪の交換をおこないます。立会人がいる場合は立会人から指輪を受け取りましょう。子どもの列席者にリングボーイやリングガールをお願いする例もあります。指輪を受け取ったら、相手の左手薬指へはめましょう。

5.結婚証明書へサインを行います。全員に見守られ結婚の誓いを立てるこの段取りは、人前式で特に人気があります。新郎新婦がそれぞれサインを行い、立会人代表がいる場合は、列席者を代表してサインを入れます。立会人代表のサインで、親や親族、その他ゲストが結婚を認めた証明となります。立会人代表がいる場合は、結婚証明書をゲストに見せながら、結婚成立の言葉を述べましょう。列席者は大きな拍手で、結婚を承認します。

6.司会者が閉会の言葉を告げます。新郎新婦はゲストに見送られながら、退場します。その後、ライスシャワーやフラワーシャワー、ブーケトスなどが行われる場合もあります。ライスシャワーやフラワーシャワーを入場時のタイミングで行うケースも多くみられます。

人前式の注意点

「人前式」では子どもこだわりのオリジナル演出が多く行われます。服装や式次第だけでなく、神前式で行われる「三々九度」や両家の水を一つの器に合わせ飲む「水合わせの儀」といった、古典的な儀式が取り入れられる場合もあるでしょう。

これらをさらにアレンジして、お互いの住んでいる土地の砂を合わせる「砂合わせの儀」を行う、結婚指輪をリングリレーで新郎新婦へ届ける、結婚の承認を拍手ではなくクラッカーで行う、二人共通の趣味であるアイテム(テニスのラケットやゴルフクラブ、映画のチケットや切符風など)を結婚証明書代わりにする、結婚証明書を本物の婚姻届にしてしまう、など様々なアイデアが子どもたちの頭に浮かんでいるでしょう。

しかし、結婚を控えている子どもたちは、気分が高まってしまい場にそぐわない演出を選んでしまう場合が多々あります。演出の中に親が知らない言葉があった場合は、一つひとつ確認し、親子ともに納得のいく「人前式」を目指すと、招待客へ良い印象を与えられるでしょう。

「仏前式」でのしきたりやマナー

割合は少ないですが、ご先祖のお墓のあるお寺や、自宅の仏前、有名な寺院などで式を挙げる「仏前式」を選ぶ新郎新婦もいます。ご先祖様へ結婚を報告する、という意味合いがあるため基本的には新郎新婦、どちらかが信仰している宗派の寺院が良いとされています。

式の流れは、仏教の宗派によって内容が変わるため、しっかりと打ち合わせを行っておきましょう。どうしてもという希望があれば、両家の宗派と違う寺院で式を挙げることも可能です。式を挙げたい寺院がある場合は、問題がないか両家でしっかり話し合いを行った上で、問い合わせてみましょう。

服装は和装を選ぶ場合が多いですが、洋装で挙式を行うこともできます。式に参列するのは親族と媒酌人のみとなり、友人や同僚は披露宴からの参加となりますので、「仏前式」での挙式が決まった時点で連絡し、理解を得るようにします。

仏前式の挙式料

「仏前式」の挙式料は「御供物料」もしくは「御布施」として納めます。金額は寺院によって違いますが10万円~20万円程度となるケースが多いでしょう。熨斗つきの、金銀、もしくは紅白結び切りの祝儀袋を用意し、表書きは両家連名とします。寺院へ納める挙式料に加え、司婚者と呼ばれる僧侶や、その他式へ携わった僧侶へ「御礼」として2万円~3万円を渡すため、事前に準備を行っておきます。

仏前式の席次

「仏前式」では、正面に仏壇、その前に司婚者である僧侶が座ります。司婚者の後ろには焼香代が置かれ、焼香代へ向かうようにし、左側に新郎、左側に新婦が座ります。媒酌人がいる場合は、新郎の後ろに媒酌人が、新婦の後ろに媒酌人婦人が座るようにします。

その他の列席者は、新郎側の家族が右、新婦側の家族が左に分かれ、新郎新婦の方を向いて見守ります。司婚者に近い席から父親、母親、父方の祖父母、母方の祖父母、兄(姉)弟(妹)、伯父、伯母、叔父、叔母の順に座りましょう。

座席は座布団が基本ですが、年配で床に座るのが辛いという親族がいる場合は、椅子を用意して貰える寺院が多いため、親から子どもへ、事前に椅子が必要な人数を伝えておきましょう。

仏前式の式次第

1.列席者が入堂します。入堂は親族が先に行い着席して待ちます。その後新郎新婦、媒酌人婦人が入堂し、最後に司婚者(僧侶)が入堂します。司婚者が焼香を行いますので、一同起立し合掌します。

2.司婚者が敬白文朗読を行い、仏様へ結婚を報告します。引き続き、列席者は起立、合掌で耳を傾けましょう。

3.司婚者より、仏壇に供えられた念珠を授かる「念珠授与」が行われます。新郎には白房の念珠、新婦には赤房の念珠が授けられるため、子どもは左手で受け取ります。その後、左手の親指を除く四指へかけ、合掌します。

4.新郎新婦が希望している場合は、このタイミングで指輪交換を行います。司婚者に見守られながら、結婚指輪の交換を行いましょう。婚姻届けへサインを行う場合もあります。

5.新郎、新婦の順に仏様へ誓いを立てます。その後、結婚成立の証である「司婚の辞」を司婚者が朗読します。

6.新郎新婦が焼香を行います。焼香代の前で合掌を行い、右手でお香をつまみ、香炉へそっと落としましょう。最後に再度合掌した後、新婦へ交代します。新郎新婦ともに左手の念珠はつけたままで進行します。両親は静かに見守りましょう。

7.誓杯を行います。神前式の「三献の儀」と基本的な流れは同じですが、杯へ口をつける順番が、一の杯は新婦、新郎、新婦、二の杯は新郎、新婦、新郎、三の杯は新婦、新郎、新婦と逆になります。お酒が飲めない子どもの場合は、口をつけるだけで構いません。

8.親族固めの杯を行います。列席者全員が起立し杯を飲み干します。お酒を飲めない場合は口をつけるだけで構いません。飲んだ後に全員で合掌をします。

9.司婚者が法話を行います。結婚を祝う言葉や結婚についての法話を述べた後、司婚者から閉会が告げられます。

10.全員起立の上、合掌後に退堂します。最初に司婚者、次に新郎新婦、媒酌人が続き、最後に親族が退堂しましょう。

仏前式の注意点

「仏前式」を行う場合、年配の列席者であっても、初めての経験となるケースが少なくありません。そのため、招待状へ「仏前式」であることを記し、大まかな流れについて報告しておいても良いでしょう。合わせて、列席の際「数珠」が必要となる点を明記します。

当日は慌ただしく、「数珠」の準備について失念してしまうケースも多いため、親が予備の数珠をいくつか用意しておくと安心です。子どもの兄弟には、電話や口頭などで念押ししておくと、数珠忘れを防ぐことができます。

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