カップルが結婚の意思を固め、それぞれの親に挨拶をすませたら、次は親同士の初顔合わせの場を設けましょう。
実際に両家が顔合わせすることで、結婚に向けた話し合いがスムーズになりますし、お互いの家族を知ることで、結婚相手への理解も深まります。
結納を行う場合でも、打ち合わせを兼ねて先に両家で会う場を設けることが理想です。
ここでは婚約前の両家初顔合わせの場所、服装、手土産、挨拶、費用負担、話題、流れなど解説します。
目次
両家初顔合わせはどこで行うべき?
両家初顔合わせを行う際、場所や段取りについては結婚する本人たちが決めましょう。
場所は、ホテルやレストランの個室で行うのが主流ですが、両家の親のアドバイスや好みを聞き、両家が納得する形で行うことが重要です。
当日の流れをスムーズにするためには、料理は基本的にコースをおすすめします。
お日柄がいい日は予約が埋まりやすいので、確実に個室を押さえるためにも当日の1か月前には予約をしておくようにしましょう。
両家の実家が離れている場合は?
かつては男性側が親と一緒に女性側の家に訪問するのが、顔合わせのしきたりでした。
ですが、最近では負担を平等にするために両家の中間地点に会場を設定することが多くなっています。
両家初顔合わせを自宅で行う場合
両家初顔合わせを自宅で行うこともあります。
兄弟姉妹の家族も一緒に顔合わせをしたいなど、大人数で顔合わせをする場合自宅で行うことが多いようです。
特に小さな子供がいる場合は、自宅のほうが気を遣うことなく安心して行うことができます。
自宅で顔合わせを行う場合、結納の名残か男性側の家族が女性側の家に出向くことが多いです。
女性側は男性側を出迎え、食事を用意します。
お互いのスケジュールによっては、食事の前に解散しても大丈夫です。
両家初顔合わせの席順は?
両家初顔合わせを行う時の席順は、基本的に男性側の父親が一番上座に座ります。
その隣に男性側の母親、本人(男性)の順に座ります。
女性側は反対側に上座から父親、母親、本人(女性)の順に座ります。
同じ続柄の人が正面同士に座る形が理想です。
もし兄弟も参加する場合は、母親と本人の間に座りましょう。
兄弟が参加するかどうかは、事前に両家で相談し合わせておきましょう。
なお、男性が婿養子に入る場合、女性側の親が明らかに年上の場合、男性側が先に会場に入った場合などは、女性側が上座に座ることもあります。
席順は基本的な位置だけ頭に入れておいて、当日臨機応変に対応するようにします。
両家初顔合わせの流れを解説
両家初顔合わせの流れを解説します。
①本人(男性)が自分の両親を紹介
②男性側の両親が自己紹介
③本人(女性)が自分の両親を紹介
④女性側の両親が自己紹介
⑤両親どうしが親の立場で結婚を承諾
⑥手土産を渡す
⑦婚約スタイルや挙式・披露宴についての話し合い
⑧食事やお酒を楽しみながら歓談
男性、女性の順番でそれぞれの親を紹介し、挨拶をしましょう。
基本的には男性本人が進行を行います。
両家初顔合わせの挨拶の言葉や方法を紹介
両家が席に着いたら、まずは男性本人が挨拶しましょう。
例:「本日はお忙しいところ、二人のためにお集まり頂きありがとうございます。私たちの婚約にあたりまして、ささやかですがこのような会食の場を設けさせていただきました。お互いの家族の絆が深まれば幸いです。よろしくお願いいたします。」
その後、初対面なので自分の両親を紹介します。
例:「私の両親を紹介させていただきます。父の〇〇と母の〇〇です。(兄弟姉妹の△△です。)」
両親も一言ずつ挨拶をします。
例:「父の〇〇です。本日はお目にかかれて大変嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします。」
「母の〇〇です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」
続いて、女性側も同じように挨拶をします。
両家初顔合わせにふさわしい歓談の話題って?
食事の前に相手の親に確認しよう
食事が運ばれてくると、落ち着いて話せない可能性もあるので、今後の結婚に向けての具体的な話は、食事の前にしましょう。
最初にお互いの家族が結婚に同意しているか確認し、両家の同意が得られていれば、親の立場から結婚承諾をしてもらいましょう。
例:(男性側)「〇〇さんのような、素敵な女性と息子が結婚していただけると聞いて大変嬉しく思っております。まだまだ未熟な息子ですが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」
例:(女性側)「〇〇さんとの婚約が整いまして、このような会を開く運びになりましたことを大変嬉しく思っております。いたらないところの多い娘ですが、末永くよろしくお願いいたします。」
その後、婚約や結婚式について具体的な打ち合わせを行います。
・結納や食事会は行うか
・仲人の有無
・挙式の形態、時期、予算
・披露宴の規模、内容
・今後の両家打ち合わせ方法
・新生活のこと
・経済的援助を考えているかどうか
両家の意向を聞きながら、本人たちの幸せにつながるよう、結論が出るまでしっかりと話し合いましょう。
結論が出ない場合は、一旦話を整理し、不明な点を残さないようにします。
もし、どちらかの親が結婚に反対している場合は、できれば顔合わせの前、結婚挨拶の段階で反対の理由をきちんと聞き、何度も挨拶に伺い結婚に納得してもらえるように話し合い、賛成してもらってから食事会をするようにします。
また反対している親でも、親同士が挨拶し、話をすることで賛成へと気持ちが向くこともあります。
結婚に反対している親から相手の親と会ってみてから最終的に決めたいという希望があれば、事前に賛成を得られなくても食事会の段取りをするようにしましょう。
賛成側の親には、事前にアドバイスを求め、顔合わせ当日は基本的にはサポートしてもらうようにしましょう。
打ち合わせの後は楽しく歓談
打ち合わせが終わり、食事が運ばれてきたら、あとは和やかに楽しく歓談しましょう。
すでに相手の親と本人が打ち解けている場合でも、顔合わせでは馴れ馴れしくしすぎないように気をつけます。
会話に詰まってしまった時のために、いくつか話題を考えておくと安心です。
・天気や季節の話題
・地元の話題
・二人の子供の頃の話
・家族について
・趣味や好きな食べ物
・二人の馴れ初め
この辺りの話は、自然に話が膨らみやすくおすすめです。
逆に、政治の話、宗教の話、スポーツの話などは場を気まずくしてしまう可能性があるので避けましょう。
なお、一方の親もしくは両方の親が結婚に賛成か反対か決めかねている場合は、相手のことだけでなく親や家のこともよく知ってもらう必要があります。
人柄や、本人や両親の仕事、真剣に結婚に向き合っていること、また幼い頃の話やどのような教育方針、家庭で育ったのかなどが分かってもらえれば、結婚を認めてもらいやすくなりますので、歓談でしっかりと話をして結婚を認めてもらえるようにしましょう。
両家初顔合わせに手土産って必要?
両家初顔合わせの食事会の際は、お互いに手土産を用意しましょう。
男性側が女性側の家に行く場合は、男性側が手土産を用意し、女性側は家で茶菓子や食事などでもてなすようにします。
手土産はあまり気を遣わせない3000円~5000円程度のものを選びましょう。
常温で置いておける日持ちするものを選びます。
縁起の良い紅白のワインや、両家の結びつきを意味するどら焼きや最中などは顔合わせの手土産として人気です。
相手の家族の好みをリサーチしておき、家族全員で分けられるものを選びましょう。
縁を切るという意味で縁起が悪い切り分けるタイプのもの、日持ちしないもの、持ち運びしづらいものは避けましょう。
熨斗をつける場合は、一般的には結びきりで「御挨拶」や「御祝」と書きます。
もし、まだ結婚の承認を得られていない場合は、蝶結びで「御挨拶」の熨斗にしましょう。
地域によっては、結びきりではなく蝶結びが主流の場所や、熨斗をつけると堅苦しく感じてしまう家もあるため、熨斗が必要かどうかは両親に相談するようにしましょう。
手土産は、お互いの紹介・挨拶が終わったタイミングで、父親同士で渡すのが一般的です。
両家初顔合わせの服装・マナー
両家初顔合わせの服装は略礼装が基本です。
ただし、当日行くレストランやホテルの格や、両家で格を合わせるようにしましょう。
男性はブラックスーツまたは、ダークスーツにしましょう。
ネクタイはシルバーなど派手すぎないもの、シャツは白を選びます。
靴下と靴は黒が一般的です。
髪の毛の乱れ、ひげの剃り残し、肩のフケなどないように清潔感を意識しましょう。
女性は男性に格を合わせフォーマルワンピース、ツーピース、スーツなどを選びます。
派手な色や柄は避けて、綺麗目なスタイルを心がけます。
あまり肌を露出しすぎないように気をつけましょう。
小物も派手なものは避け、パールなどのアクセサリーを選びます。
メイクや髪型も派手すぎないように、上品な印象になるようにしましょう。
両親は本人たちと格を合わせます。
母親は和服を着ても大丈夫ですが、本人より格上にならないように気をつけます。
兄弟姉妹が参加する場合は、本人と同格か格下の控えめなスーツ、ワンピースを選びましょう。
学生の場合は、学生服で参加します。
両家初顔合わせの費用負担は?
両家初顔合わせでかかる食事代や会場費などの費用は、本人たちが負担することが一般的です。
「自分たちの結婚のための集まりだから」や「親に感謝の気持ちを伝えたいから」という理由が多いようです。
次に多いのは両家で折半するパターンです。
「不公平にならないように」や「当日もめないように」という理由で、両家折半する場合は事前にコース料理を予約し食事代を集めておけば当日スムーズに支払いができます。
両家初顔合わせについて おわりに
両家初顔合わせはお互いの家にとってこれからの長い付き合いの第一歩です。
顔合わせでお互いの家族の絆をより深めることができます。
これからの結婚へ向けて、両家の家族全員が同じ方向を向いて進めるよう、しっかりとマナーや流れをおさえ、両家で楽しい時間を過ごせるようにしましょう。
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