結婚式は何のためにするのか?知っておきたい結婚の段取り・マナー・しきたりの常識~序章

結婚が決まった皆様、おめでとうございます。

幸せいっぱいの時期ですね。

早速「次にやることは?」と結婚情報誌を手に取る方も多いのではないでしょうか? 早速ページをめくってみると、結婚式や新生活に関する情報がぎっしりと詰め込まれています。

女性がドレスや式場選びを楽しみにする一方で、男性は、予算やしきたりなどを気にしてしまうことが多いとか。

けれども結婚式は二人の晴れ舞台。

絶対に成功させたい、という思いは二人とも一緒のはずです。まずは「結婚式をするかどうか」。二人の思いを確認し合うことが大切です。

■結婚式は何のためにするのでしょうか?

かつて、結婚とは家と家を結びつけるもので、結婚式は大事な儀式でした。

結婚が、一人の男性と女性の間の契約、という形になった今でも、結婚式という形は残っています。何故でしょうか?

それは、結婚式が「二人の生活を始めるための大事な基礎」だとみんなが考えているからです。

つまり、結婚式とは、形だけ整えれば完成、というものではありません。

婚約した男女が結婚式の準備をする。それは、別々の家庭で生まれた二人が新しく家族になるために、一歩一歩進んでいくための大事な時間なのです。時には喧嘩をしたり、異なる意見をすりあわせたりと、苦労もあるでしょう。楽しい演出を考えたり、お互いの家族のことを思ったり、相手に対する思いやりを積み重ねる時間でもあるでしょう。

最近では、結婚式をしないという人も増えています。

確かに、お金も時間も掛かるし、忙しい仕事の合間を縫って準備を進めるのは大変です。けれども、時間を掛けて結婚式の準備をしたカップルは、結婚式を終えた後、自分の選んだ相手は間違いなかったという自信を持って、新生活を始めることが出来るでしょう。

このシリーズでは、自分の親への結婚の報告、相手の両親への挨拶から婚約、結納、食事会、人生における大事な節目である結婚式を成功させるための大事なポイントをご紹介していきます。

■結婚式の準備は決断の連続。自分の気持ちをはっきりと伝えましょう

準備が大変で、費用も膨らみがちな結婚式。
まずは、なぜ結婚式をするのか、その理由を自分の中ではっきりさせましょう。

・両親に感謝の気持ちを伝えたい
・招待客に新しい家族をお披露目して、祝ってもらいたい
・お互いの家族の縁を深めたい

など、色々な理由がありますね。個人的なものなら、

・相手の金銭感覚を知りたい
・お互いの育ちの違いを確認して、すりあわせていきたい
・どんな友人や親戚がいるか覚えておきたい

なんて目的もあるかもしれません。

話してみたら、結婚式を挙げる理由が相手と違っている、ということもあるでしょう。けれども、それでいいのです。

別々の人間なのですから、二人の意見が違うという状況は、これからいくらでも出てきます。大事なのは、自分の気持ちをはっきり伝えることと、相手の思いを尊重すること。そして意見が違ったときに、どう話し合い、どう調整していくかです。

この前準備こそ、結婚式や、それに続く結婚生活を成功させる鍵になります。

結婚式はゴールではありません。新しい生活のスタート地点です。

二人の気持ちを揃えてスタート地点に着くことが出来るか、それがプロポーズに続く結婚までのステップだと言えるでしょう。

■結婚式で大切なのは?

結婚式の成功って何でしょうか?

結婚が家同士の結びつきだった昔の世代と比べて、現代では、結婚する二人の意向が式に大きく反映されるようになりました。かつてのしきたりは省略されることが多く、それが問題にならない時代になっています。

それでも、個性的な式にこだわって、従来の結婚式の枠からはみ出しすぎてしまうのは考えものです。また、結婚式で許される「自由度」には、地域や家庭の事情が絡んできます。自分たちがやりたいこと、やりたくないことを考えるだけではなく、両家の事情も鑑みて、準備を進めていくことが、「良い結婚式」と言われるための大事なポイントです。

結婚する自分たちも含め、両親や親族、ゲストの皆さんの誰もが幸せな気持ちになれる。それこそ、新郎新婦が目指すべき真に良い結婚式なのです。

■結婚式の準備を始める前の4つの心構え

結婚式をすると決めたら、まずは会場探しから、というのが一般的だと思います。けれどその前に、二人を取り巻く環境について、改めて確認する必要があるでしょう。これからご紹介する4つの心得が、晴れの日を迎えていただくためのご参考になれば幸いです。

(1)色々な儀式は、省略を決める前に、両家に相談する

かつて、結婚式では、仲人を立てるのが一般的でした。また、結納の儀式も必須という地域、家庭が多くありました。

現在では、結納は省略されることが多く「両家の顔合わせとして食事会を開く」という形で簡略化している家庭が多いようです。以前は用意されていた結納金もなくなり、結納品や結納返しについても、結婚する二人が婚約の記念品を贈り合うというスタイルが定着しています。

とはいえ、結婚式という「儀式」をすることに決めたのですから、フォーマルな場としてお披露目できるものにしなければなりません。「面倒だからやらない」と色々省略しすぎて、招待客に失礼になってしまっては、式を挙げる意味が半減してしまいます。

かつてのしきたりを、どこまで守るべきか。

それは、何故そのしきたりがあったのかを考えて判断する必要があります。

特に地方では、まだまだ「結婚は家と家との結びつきである」という考え方が深く残っている地域があります。都市部では省略される結納などの儀式も、「どうしてもやらなければ」「やらないなんておかしい」と言われてしまうことも。
特に、しきたりに従って結婚式を挙げた親世代との考え方の隔たりは、大きなものがあるようです。

片方の家が「別にやらなくていい」と言っても、もう片方の家は「絶対に必要」という儀式もあるでしょう。こうした齟齬が生じるのは、仕方がないことです。

大事なのは、話がこじれる前に、それぞれの親の考えを確認すること。

婚約、挙式、披露宴は、両親にとっても大きなイベントです。結婚する二人だけで形を決める前に、まずは結婚を決めたことを報告し、どんな手順で結婚式まで進むべきかを相談してみましょう。

また、両家で意見が分かれたときは、しきたりを重視する方の家に合わせて式を執り行うのが無難と言えます。

最終的には話し合いになりますが、「しきたりを大事にする気持ち」も尊重する心を持つことは、これからの人生においてプラスに働くことでしょう。

(2)人付き合いのコストは上がるものと割り切る

結婚を機に、人付き合いの機会はどんどんと増えてきます。単純に考えても、親戚や友達が二倍になりますし、この先、子どもが生まれたら、より多くの人とのお付き合いが始まります。

恋人同士のときは、二人だけの世界を作ることも出来ました。

けれども、婚約者という関係になった時点で、世界は大きく広がっていきます。お互いの両親はもちろん、親族とも新しく関係を築いていかなくてはなりません。他にも、会社関係、友人関係など、相手が既に持っているコミュニティを受け入れていくことが、結婚するということなのだという自覚が必要になります。

新しく人と人とが出会うことで、当然摩擦も生まれます。

うまくいかない相手もいるでしょう。けれども、ここで逃げてしまうようでは、結婚生活のスタート地点に立つことは出来ません。

例えば、披露宴の準備において両家の間で意見の食い違いがあったとき。両親同士の話し合いの場を設けるよりも、二人が両家の間に立って調整役を務めるように立ち回る必要があります。それぞれの家庭の意見を真っ向からぶつけるのではなく、なるべくマイルドにして相手の家族に伝えるような心遣いが大切です。

このように、たくさんの人との調整が必要になるのが結婚式なのです。

当然のことですが、生きていく上での困難は、婚約期間よりも結婚してからの方が多く訪れます。そのときに、手を取り合って苦難を乗り越えられるかどうか。結婚式までの準備期間は、お互いのこれまでの人生、そしてその背景を受け入れるための時間です。結婚式とは、幸せな二人の未来を作り上げるための試金石なのです。

(3)結婚式の主役であり、かつ裏方であるのが新郎新婦

二人の門出である結婚式。もちろん主役は新郎新婦です。

一方で、大切なゲストの方々をお招きしているその日。新郎新婦はホストとして皆様をおもてなしする立場でもあります。

主役として、整った衣装を身につけて幸せをアピールするのは、とても大切なことです。ただし、その笑顔は、感謝の気持ちを皆様に伝えるものでなくてはなりません。

新郎新婦を祝福するために、遠くから、装いを整え、時間の都合を付けて参加してくれたゲストの方々。そんな皆様に楽しんでいただくための心配りを忘れないでください。

結婚式に夢を持つ人は多くいます。

幸せをアピールしたい。主役になりたい。ドレスをたくさん着たい。そんな夢を叶えることが出来る場です。

それでも、ゲストの方々が祝ってくれてこその結婚式。自分たちのオリジナリティを大切にするあまり、ゲストが楽しめないということになってしまうと、その結婚式は失敗と言えます。式について迷ったときは、ゲストが「素敵なおもてなしだった」と感じてもらえる方法を選んで、準備を進めていくといいでしょう。

(4)お金を惜しんでもいけないし、使いすぎてもいけない

先程もお伝えしましたが、結婚式はゴールではありません。これからの生活に支障が出る額を使っては、本末転倒。新婚生活を考えて節約したい、という考えは、褒められるべきものです。

しかし、ゲストを招いてお祝いをいただくフォーマルな場で「費用を惜しんだ」と思われてしまっては、結婚式をする意味がありません。

数合わせのためにゲストを増やすなども、やってはいけないことです。予算はないけれどもどうしてもドレスを着た写真が撮りたい、というだけでしたら、フォトウェディングで十分。大切なお客様を、個人のわがままで振り回してはいけません。

ここで、最初に決めた「なぜ結婚式をするのか」という気持ちを思い出すことが重要です。

一般的に、結婚式に使える予算には限りがあるでしょう。その中で、満足のいく式を執り行うためには、お金の使いどころにメリハリを付けることが大切です。

こだわりたいところにお金を掛けて、そうでない部分は省略していく覚悟も必要になります。式場に全てを任せず、自分たちで招待状を作ったり、リーズナブルな引出物を探したりと、努力でなんとか出来る場合も。二人で工夫して乗り切った、という経験はかけがえのないものになるはずです。

また、省略したいアイテムやイベントがある場合は、事前に両家に相談をしてみましょう。「子どもの結婚式のためにお金を貯めてきた」というご両親もいるでしょうし、「費用は出すから引出物にはこれを」という地域柄もあるはずです。予算内に収まらないというとき、親から援助を受けるのも、ある種の親孝行と言えます。

ともあれ、まずはどのくらいの予算があり、どの程度の式をするつもりなのか。把握することが重要です。式場選びから既に結婚式は始まっているようなものなのです。面倒だからと、手間を惜しむと、予算はどんどんと膨れ上がってしまうものだと心得ておいてください。

■序章のおわりに

改めまして、ご結婚おめでとうございます。

二人の門出となる結婚式。その一日が、お二人とご家族の皆様、ゲストの方々にとって、幸せと安らぎに満ちた素晴らしい一日となることをお祈りしております。

これからご紹介する諸々が、来たるべきその日をつつがなく迎えるために、お役に立てるものであることを願っております。

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